リフォーム時の付帯部塗装はしないでも大丈夫?
付帯部は必ずしも「すぐに塗装しなければ家がダメになる」ということはありません。。
しかし塗装することで家の寿命を延ばすことにつながります。
付帯部も外壁や屋根と同じで太陽光の紫外線や、熱、雨などで劣化していきます。外壁・屋根のみの塗装にしてしまうと、付帯部の傷みがどうしても目についてしまいます。
また、建物の美観を保つためにも外壁塗装と一緒に付帯塗装することをおすすめします。
また付帯塗装をしっかりしないと雨漏りや破損などで塗装の寿命が短くなる原因となりますので、非常に重要な工事でもあります。
外壁塗装に掛かる費用は極力抑えたいものですが、お見積もりの際に付帯部の施工も同時にご検討されることをおすすめします。
そもそも付帯部とは?
外壁や屋根にはたくさんのパーツが付いています。
それらをまとめて「付帯部」と呼びます。
雨樋や雨戸などの付帯部はほとんどの方が知っているでしょう。
毎日目にする玄関ドアや窓サッシなども、外壁塗装においては付帯部に分類されます。
そのほか、破風板や鼻隠し、笠木なども外壁塗装ではよく付帯部塗装が行われる箇所です。
まずは付帯部とはどの箇所をいうのか?いっしょににみていきましょう。
1. 外壁・屋根の付帯部
1-1 軒天
軒天とは軒下から真上を見た際にある天井のことを言います。
外壁の外側で天井からはみだして突き出ている部位を「軒」と言い、その裏側が軒の天井ということで「軒天」という呼び名がついたようです。
軒天は隠れた位置の部分を指しますので、通常外からは見えずらいものになります。
しかし軒天がない場合、下からのぞくと屋根裏の野地板や垂木が丸見えになり、非常に見栄えが悪くなってしまいます。そのため軒天が張られるのです。
また火事で窓から火の手が上がったときに軒天がなかったら屋根裏まで炎が一気に広がり、あっという間に屋根が燃え尽き焼け落ちてしまいます。
軒天に有孔板を使用したり、軒裏換気口を設置したりすることで、屋根裏の内部結露を防ぐことが可能です。また表面に多数の穴が開いた有孔タイプのものを使用すれば、屋根裏に溜まった湿気を外部に排出することができます。
外部にさらされていることもあり、外壁や屋根と同様雨風や湿気などの環境によって塗膜が劣化しやすい箇所となります。
軒天は外観を美しく保ち、火事の際の延焼を防ぐ建物の重要な役割を担っている部分です。
軒天も家の大切な一部であることを理解していただき適切なメンテナンスを心がけましょう。
1-2 雨樋
家のデザインや外壁の色などに比べると雨樋はあまり目立たない存在であり、これまでの日本の住宅では雨樋は付いているのが当たり前であったために、雨樋の機能などは軽視されがちでした。最近は雨樋がない住宅さえ見かけるようになりました。しかし雨樋は、家屋の外壁や土台を雨水から守るという重要な役割を果たしているのです。
雨樋は、雨水を一箇所にまとめ、管などを伝わらせて排水設備に流す役割を担っています。これによって、屋根をつたって落ちてきた雨水が、建物の外壁や土台を傷めることを防いでいるのです。
雨は屋根の勾配に沿って下に流れます。雨樋があれば雨水は雨樋を通じて排水溝に流されますが、雨樋がなければどうでしょう。全て軒下に流れ落ち、跳ね返った雨水や泥で外壁が汚れます。その際外壁や基礎にひび割れがあれば、雨水が外壁や基礎の内部まで浸入する可能性もあります。また地面の排水機能が十分でない場合、屋根から地面に流れ落ちる雨水で家の周囲は水が溜まり、ジメジメと湿った状態になります。
この湿気は、住まいのさまざまなトラブルを引き起こします。
外壁の汚れはひと目ですぐに確認出来ますが、雨水の浸入や湿気による内部の被害は外観からでは確認することができません。雨漏りやカビなどのトラブルで発覚した時には外壁の内部が腐食していた・・・ということもあります。こうなってしまうと内部の腐食した木材から補修する必要があり、改修費用も高額になります。さらに放置すれば建物の強度が損なわれ、地震で倒壊する危険がないとも言えません。
雨が多い日本において、家屋を雨から守る雨樋はなくてはならない設備であり家を守る重要な役割を果たしているのです。
定期的な雨樋のメンテナンスは、外壁や屋根の劣化を防ぎ高額なリフォームを避けることにつながります。
1-3 雨戸
日本では当たり前のように使用されている雨戸ですが、近年では雨戸ではなくシャッターを使用している家も増えています。
そもそも雨戸は、雨や風をよけるためにつけられています。そのため、台風の多い地域では雨戸をつけているご家庭が多い傾向にあります。台風などの被害を最小減に抑えるためには、雨戸の設置が大きくかかわってくるのです。
昨今の日本では毎年発生する台風によって大きな被害に見舞われています。
台風の影響で強い雨風が窓にあたったり、外部からものが飛んできて窓ガラスに直撃し割れてしまうということがあるので、このような地域では 家を守るためにも雨戸は重要なもののひとつかもしれません。
また、雨戸は防犯対策にも有効です。
雨戸は窓の外に取りつけられているため、窓と雨戸で2重にロックがかかっているようになりますし、窓ガラスを割られてしまうこともなくなり、空き巣対策になります。
ほかにも雨戸は断熱や遮熱などにも有効です。雨戸は完全に窓を覆うことができるため、外気温の影響を受けることが少なくなります。そのため、暖房器具やエアコンなどの効率が上がるのです。
雨戸も外観に非常に関わっており、外壁や屋根を綺麗にしても雨戸だけ塗装しないと、家全体のバランスが悪くなってしまい外観も損なわれてしまうのです。
また、雨戸のサビをそのままにしておくと、雨戸が開かなくなったりするおそれも出てきます。そのような雨戸のトラブルを防ぐためにも、雨戸の塗装は必要となってきます。
雨戸・戸袋は金属でできていますので、劣化が進むとサビの発生、サビから穴が開いてしまいます。穴が開いてから取り換えるとなると余計な費用が掛かってしまいますし、塗装の時期をずらしてしまうと必要以上に費用が掛かってしまう事も多いので、外壁塗装と同時の施工をおすすめします。
昔に比べてバリエーションが増えた雨戸やシャッター。
外壁の色や外観デザインにあわせたり、お住まいに必要な機能を考えながえら選択されるとよいと思います。
ご自分のライフスタイルに合わせて雨戸の必要性を検討してみましょう。
1-4 破風板・鼻隠し
破風(破風板)と鼻隠しも外壁から張り出した屋根の先端に設けられたもので、その役割はほぼ同じです。屋内への雨水の浸入と風が屋根内部へと浸入することを防いでいます。
破風(はふ)と聞いても、いまひとつピンとこないと思いますが、住宅など建物の各部位には、名前が付けられており建築で使われている用語です。破風とは、建物屋根の妻側の部位を指します。屋根は上からの雨や風に対して強い構造になっていますが、横や下からの雨風に対して弱いという特徴があります。破風があることで屋根材の内部に雨水の侵入を防ぐことを目的としているので、しっかりと塗装をしておかなければならない箇所です。直接雨風にさらされる箇所ですので、防水を怠ってしまうと劣化が進んでしまいます。
他に、火災からも守る大切な役割があります。
住宅火災は下から上へ向かって延焼するのが通常です。窓から上がった火が軒に達するのは驚くほど早いため、破風板によって屋根裏への火のまわりを遅らせる役目があります。こうした理由から、破風板には耐火性のある部材を使用したりします。
破風板・鼻隠しの素材は木材、金属、窯業系とお住まいによって様々ですので、素材に合う塗料の選択が必要となってきますので、必ず業者に確認するようにしましょう。
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